首電10000形電車(しゅでん10000がたでんしゃ)は2007年(平成15年)1月に登場した
首都圏環状急行電鉄の通勤形電車。京浜急行電鉄からの譲渡車両である。

概要
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車体全長18m、片開き式の片側3扉で座席は客用扉間にはロングシートのままだが、
車端部にはクロスシートを採用した。運転台背後の座席は撤去された。
車両タイプは00番台と50番台と80番台があり、00番台と50番台は京急旧1000形の
改造車で、80番台は00番台に組み込むために新製された車両である。

外観
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車体は普通鋼製で、新製された80番台のみステンレス製である。全面にクリーム色の
塗装がしてある。ラインカラーはラッピングとなっている。
種別表示器と運行番号表示器はフルカラーLEDを採用している。行先表示器とローマ字
表記専用行先表示器には白色LEDを採用している。なお、運行番号にフルカラーLEDが
採用されているのは、種別・運行番号の表示器が一体化になり、種別のフルカラーLEDに
合わせた為である。
先頭車前面には貫通扉を装備している。なお、50番台は京急旧1000形の中間車を
先頭化改造したため、前面形状が大幅に異なる。前面形状は首電10300形と類似して
いる。

内装
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内装には暖色系を採用している。
室内の座席はロングシートとクロスシートになっている。運転室直後の座席は立席
スペースとなっている。
両先頭車には車椅子スペースを備えている。荷棚はステンレスパイプで構成されている。
遮光用カーテンはスモークガラスを採用している80番台以外に設置されている。
客用ドアの室内側はステンレス無塗装のものとなっている。この各ドア上部には旅客への
LED式車内案内表示機を設置し、ドアチャイムを設置している。
側扉間の窓は2段上昇式となっている。

性能
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最高速度は130km/h(00番台)、120km/h(50番台)。
起動加速度は4.2km/h/s(全電動編成)、4.0km/h/s(中間付随車組込編成)、3.5km/h/s
(抵抗制御車)。
常用最大減速度は4.0km/h/s。
非常減速度は4.5
km/h/s。
付随車を組み込んでいる編成のMT比は電動車 (M) : 付随車 (T) =1:1である。

制御装置
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制御装置は00番台には東洋電機製造製のIGBT素子によるVVVFインバータ制御装置を、
50番台には抵抗制御(京急旧1000形の物)を採用した。

番台区分
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00番台

譲渡する際に、抵抗制御からVVVFインバータ制御に改造した。全電動車編成と中間
付随組込編成がある。なお、番台に0が2つ表記されているが読みは「ぜろばんだい」で
ある。

50番台

抵抗制御のまま譲渡された車両。全電動車となっている。

80番台

00番台に組み込むために新製された付随車である。中間車のみが存在している。

編成
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8両編成と4両編成と2両編成の3種類があり、VVVFインバータ制御の付随車組み込み
編成は4両1ユニット、同制御の全電動編成と抵抗制御編成は2両1ユニットで構成されて
いる。
車両番号の付番方法は首都環鉄の他形式と同様であるが、00番台の付随車組み込み
編成は中間が80番代となっており、デハ10025-サハ10081-サハ10082-デハ10026などと
なっている。
編成呼称は上記の編成の場合、城ヶ島寄りの先頭車から10026編成などと呼称する。
パンタグラフはシングルアーム式のものが搭載されている。
車両は城ヶ島、海外寄りを1号車とし、鷲宮、加納寄りを大きい数字(16両編成の場合
16号車、4両編成の場合は4号車)としている。

在籍数
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2009年1月現在は、2両編成2本(4両)と4両編成4本(16両)と8両編成4本(32両)の
計10本(52両)が在籍している。

運用
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全車種、かがみライナーを除き首都環鉄全路線、全種別に使用されている。
2両編成は主にかいと線の折り返し普通列車と深夜〜早朝の春日部〜金沢文庫間の
普通と快特に使用されている。